2019年03月18日

産業精神保健講演会 テーマ「職場における発達障害 Up To Date」

平日の夜の開催。

1.基調講演(18:35~19:35)
「職場における発達障害 -自閉スペクトラム症への対 応を中心に-」
大阪市立大学大学院医学研究科 神経精神医学 講師 宮脇 大

主に、一般就労している人を念頭にした講義。

・DSM-5 神経発達症
 これが我が国の"発達障害”の概念に近い。

・診断基準が曖昧。グレーゾーンがある。
 神経発達症特性は連続性分布。

・ADHDの大人の特性への対策

 〇財布を忘れても大丈夫なようにあちこちに現金入れる。
 〇スケジュールは一元管理
 〇じっとしているのが苦手なら職場でゴルフの素振り
 〇無くすのを前提で高い持ち物は買わない

・ASDの育ち

 〇よくない育ちをしてトラウマ体験や失敗体験
 〇過剰な回避を容認され、可能なスキル獲得ができない
 〇鍛錬・訂正・改善を求められての過剰適応。
  思春期成人期に破綻。

 〇よい育ち(幼児期から配慮を受け、適正な課題にチャレンジ)
  を受け、ピンチの際は周囲への助けを求めることができ、
  家族を楽しませたりすることを自身の喜びにできる人もいる。

・ASDは成人期は抑うつで事例化することあり。


<支援について>

・診断はなくとも支援はできる。
・苦手なことを治そうとしないほうがいい。
・信頼関係を築く。
・批判ではなく、まず合理性を肯定した上での
 助言をする。

・”今、関係がよくないから、そっとしておく”は
 リスクが高い。

☆紹介先☆
ASD、ADHD両方を診るところ。
できれば中学生から診ているところ。


2.シンポジウム(19:35~20:40) 「職場における発達障害への対応と対策 PartII」

〇産業医の立場から 豊川産業医事務所所長
日本電機事件、O公立大学法人事件の紹介。

・雇用を継続するための最大限の配慮
・対象者の特性やどのような業務が可能なのか
 あるいはできないのかを確認
・主治医との連携が重要

〇コーディネーターの立場から
 大阪障害者職業センター次長

・ジョブコーチ支援の具体例
 
 ☆支援のポイント☆
 ・障害特性の把握
 ・障害特性についての自己理解
 ・ご本人の能力に応じた職務設計
 ・作業環境の調整
 ・障害に対する周囲の理解



p-6845001 at 12:35│Comments(0) 研修報告 | 精神科

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