2018年12月07日
『父の生きる 』
熊本に住む著者・伊藤 比呂美さんの父を
カリフォルニアから遠距離介護する、
その2009年3月から2012年5月までを
書いています。
伊藤さんの介護を描くというよりは、
少しずつ死に近づいていく父親が
一日一日をどう生きていったかを書いた本です。
伊藤比呂美さんの本を読むのは
ほぼ9年ぶり。
『伊藤ふきげん製作所』
伊藤さんの介護の話も読もうと思いながら、
実際に読んだのは、この本が初めて。
自分も介護当事者となってからでした。
読んでちょっとびっくりしたのは、
カリフォルニアの自宅で
心原性失神で伊藤さんの夫が何回も昏倒する描写。
<うちの夫は発作が過ぎたらけろりとしている。
逼迫感はそんなにない。>
ああ、このひとには
夫さんの死も近いことが
この時点では見えていなかったのだな、と
そう感じた描写でした。
心原性失神は予後不良な疾患なんですわ・・・
『失神外来を始めよう』