2013年08月29日

「働き方」を変えれば幸せになれる? (平成日本若者論史)




こちらで常見陽平氏が
紹介していた本。

若者の働き方についての言説のうち、

1.「海外に出る」ことを推奨する言説

2.静かに滅び行く日本の中で
  「生きのびて」行くべきである、という言説

この二つのある種の若者擁護論とも
言うべきものの問題点を指摘した本。

1.については谷本真由美さん、
(著作は「キャリアポルノは人生の無駄だ」など。)

田村耕太郎さん、



2.については米田智彦さん、



などが、代表として取り上げられています。

そして、そのベースにある
新しい若者論の論者として古市憲寿氏を
挙げています。



著者が書いているのは
社会保障や再配分(のゆがみ)への視点を全く持たずに、

海外に出ること、あるいは
競争から降りて自分たちの幸福を探すこと、

を勧める論客を持ち上げるのは、
ちょっと違うのじゃないか?

ということ。

このあたり、
性差別的な慣習や制度を放置して
女性にただ頑張れ!というのが
暴力的である、というのと
同じかな。

でもねえ。

社会制度ってそんなにすぐには
変わらないんですよ・・・

フェミニストの女学生が
就職したときに読んで役に立つのは
上野千鶴子よりも勝間和代だと
思うので、

おまけの文章で
著者が疑問視している
若者向けの自己啓発書も
そんなに悪いものとも
私には思えないのですが・・・

U25 サバイバルマニュアルシリーズ

p-6845001 at 05:38│Comments(0)TrackBack(0) 電子書籍 | 社会学

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